軽自動車は年間6万円の得!普通車との維持費を徹底的に比較&解説

軽自動車と普通車の維持費のちがいは、最低でも6万円ほど。
オプションや自動車保険などを充実させるほどに、この金額差はさらに広がります。
車体価格はもちろん「車にかけるコストを可能な限り下げたい」という人には軽自動車がとくにおすすめといえます。
この記事では、軽自動車の維持費が普通車と比べてどのくらい安いのか具体的な数字とともに解説していきます。
また、「維持費をもっと安く抑えたい!」という人に向けて「さらに維持費を節約する方法」についても紹介していきます。
まずは軽自動車と普通車の維持費を比較していきます。
軽自動車と普通車の維持費を徹底比較
軽自動車は普通車と比べてどのくらい維持費が違うのか、まずは具体的な数字を見ていきましょう。
維持費の項目 | 軽自動車 | 自動車税 |
---|---|---|
自動車税 (1年分) |
10,800円 | 34,500円 |
自動車重量税 (2年分) |
6,600円 | 16,400円(1t以下) 24,600円(1.5t以下) |
自賠責保険料 | 15,130円 | 15,520円 |
任意保険料 (最低限) |
5万~6万円 | 8万~10万円 |
車検費用 ※ディーラーの場合 |
4万~5万円 | 5万円以上 |
すべての項目で軽自動車のほうが安いと分かると思います。
これに加えて、燃費も多くの場合は軽自動車のほうが優秀です。
具体的にホンダから、N-BOX(軽自動車)、フリード(ミニバン)、ヴェゼル(SUV)のそれぞれの燃費を比較してみましょう。
- N-BOX 27.0km/L
(軽自動車) - フリード 19.0km/L
(普通車・ミニバン) - ヴェゼル 21.2km/L
(普通車・SUV)
燃費は数字が大きいほど経済的な燃費なので、軽自動車がとくに燃費が良いことが見て取れます。
さらに、1年間の走行距離を1万kmとして燃料代を算出すると、以下のようになります。
1年間の燃料代比較
- N-BOX 年間5万1,851円
(軽自動車) - フリード 年間7万3,684円
(普通車・ミニバン) - ヴェゼル 年間6万6,037円
(普通車・SUV)
もっと燃費の良いコンパクトカーやセダンなどもありますが、人気のSUVやミニバンと比べると、1万円以上も燃料代を節約できます。
例外として、一部のハイブリッドカーは軽自動車より燃費が良いものがあります。
しかしこちらは燃費が良くなる代わりに車両本体価格が高くなるので、どちらのコスパがいいかは使い方次第です。
すべてを合計すると、年間の維持費は最低でも6万円以上、軽自動車のほうが安いということになります。
維持費を抑えたい人必見!低燃費な軽自動車【10選】
軽自動車の燃費が良いことはすでに述べた通りです。
しかし、そんな軽自動車のなかでもさらに燃費が良好な10車種をここから紹介していきます。
とくに燃費性能の高い軽自動車・10選
グレードにもよりますが、30km/Lを超える良好な燃費を持つ車が数多くあります。
1.スズキ・アルト
スポーティな走りが魅力のアルト。
燃費は22.0~37.0km/Lです。
4WDと2WDから選ぶことができますが、燃費がより良好なのは「X」「S」「L」のグレードの2WDです。
4WDにするとやや燃費は悪化しますが、悪路でもしっかりとしたグリップが頼りになります。
悪化したといっても多くのコンパクトカーより良好な水準は確保しているので、利用する地域に合わせて選びましょう。
スズキ・アルトラパン
アルトラパンはアルトの派生モデルの一つで、キュートな外見から女性のみならず男性からも高い評価を得ています。
燃費性能は33.2~35.6km/L。
エアコンにはお肌に優しい微粒子イオンを発する「ナノイー」を搭載しているのも注目ポイントです。
価格帯も10万~15万円ほどの範囲に収まり、お財布にも非常にやさしい一台といえます。
「予算の範囲内で、ちょっとかわいい車がほしい」という人におすすめ。
ダイハツ・ミライース
ミライースは燃費32.2~35.2km/Lと優秀なのはもちろん、おしゃれな車を探している人におすすめです。
最大9種類から選べるボディカラーはセンスに合わせて好きな色を選べるのが魅力。
荷室のハッチは広く作られており、お買い物の出し入れにも便利です。
また、ハンドル位置とシート位置を細かく調整可能で、小柄な女性でも最適な運転ポジションを設定できます。
運転ポジションの調整は安全運転にも直結する重要な要素なので、ほかの軽自動車を見るときにも検討すべきポイントです。
スバル・プレオ
スバルのプレオは燃費35.2km/Lと優秀な性能をほこります。
最小旋回半径4.4mと小回りが利くので狭い路地での方向転換なども余裕を持って操作できます。
衝突回避支援装備が充実しているのも魅力のひとつ。
歩行者や車両への衝突警報機能や、衝突回避ブレーキ機能を搭載し、万が一の衝突の際にも乗員を守るための装備が充実しています。
誤発進抑制機能や車線逸脱警報機能なども備え、「ちょっと遠くまでお買い物」というときにも安心です。
マツダ・フレア
マツダのフレアは33.4km/Lという燃費性能を持ち、軽自動車には珍しいハイブリッドエンジンを搭載した車です。
また、次に紹介するスズキのワゴンRのOEM車でもあります。
2WDでも4WDでも優秀な燃費を発揮し、エンジンサウンドも静かで、おもに住宅街で運転することが多い人にはぴったりでしょう。
前後左右に対応した全方位モニターが搭載され、駐車場から出るときや横道から出るときなどに活躍します。
価格はハイブリッド搭載にも関わらず11万~15万円ほどに収まっており、コスパも抜群です。
スズキ・ワゴンR
軽自動車の中でもとくに背の高い「トールワゴン」というジャンルを開拓したワゴンR。
燃費は28.4~33.4km/Lです。
モデルチェンジを重ねて、初代発売から20年以上が経過した今でも高い人気を誇ります。
後部座席の広さは特筆すべきポイントで。
奥行きを表す室内長(2,450mm)は軽自動車中でもトップレベルをほこり、ゆとりのある空間を作り出しています。
長い歴史を持つ車だけに軽自動車として求められているポイントを熟知しており、軽自動車が必要な人のニーズをしっかりと捉えています。
こちらもハイブリッドモデルが用意されており、ただでさえ優秀な燃費をさらに向上させています。
ガソリン車に比べると2万~3万円ほど価格が上がってしまうため、予算と相談して検討しましょう。
スズキ・ハスラー
「コンパクトSUV」とも称される、力強い走りが魅力の軽自動車です。
燃費性能は24.2~32.0km/Lと十分。
アウトドアにも使える走破性能を持ち、「よくレジャーに出かける」という人にはぴったりです。
少々価格が上がり燃費も悪化してしまうものの、アウトドアで利用したい人にはパワーの強い「Jターボ」「Gターボ」がおすすめです。
これらのモデルはラゲッジルームもお手入れがしやすい素材でできているのが特徴。
濡れたキャンプ用品やレジャー用品を積み込むときも安心です。
ダイハツ・ムーヴ
ダイハツの軽自動車はおしゃれにも注力しており、ミライース同様、9種類のボディカラーが用意されたかわいらしい車です。
燃費も25.6~31.0km/Lと良好。
また、広い室内に加えて大きく開けられるドア、自由度の高いシートアレンジが特徴です。
普段のお買い物に合わせて好きなように車内空間を変えることができるところも使いやすくおすすめのポイント。
ターボ搭載モデルもありますが、とくに走りにこだわりがないなら燃費優先の通常のエンジンで問題ないでしょう。
スバル・ステラ
スバルのステラは燃費27.4~31.0km/L。
踏みやすいペダル、運転しやすい座席位置、前後の誤発進抑制機能など、運転中の「うっかり」を防止する機能が充実しているのが特徴です。
スーパーUV&IRカット機能付ガラスで、紫外線や赤外線をカット。
また、花粉や微粒子をカットするスーパークリーンエアフィルターなどを備え、運転に集中できるような配慮に満ちています。
スズキ・スペーシア
スペーシアには「スペーシアカスタム」も用意されていますが、カスタムというだけあって、お値段は少し高め。
日常的なコスパを重視するなら普通の「スペーシア」で十分でしょう。
燃費性能は24.0~30.6km/Lとまずまずの数値。
すべてのグレードがハイブリッド車という、軽自動車には珍しい仕様です。
それでも価格差は12万~15万円台に抑えられており、もちろん静穏性も抜群です。
ハイブリッドカーはスタート・ストップがきびきびしているのが特徴。
軽自動車ほど車体が軽ければ、そのメリットを存分に活かすことができるのも良いですね。
さて、ここまで燃費の安い軽自動車を紹介してきました。
続いて、「少しでも維持費を安くしたい」人に向けて維持費をさらに節約する方法を解説していきます。
維持費を抑えるには任意保険の見直しが効果的
基本的に自動車税や重量税、そして自賠責保険料は法律によって金額が一律に定められています。
そのため、節約しようと思ってもこれ以上安くすることはできません。
節約できる一番の部分は任意保険です。
ただ、自動車保険は万が一の事態に備えて入っておくべきもの。
絶対に外すべきではない保険もあります。
具体的には次の3つの保険だけは、どんなに節約したくても外すべきではありません。
外せない必須の保険3つ
- 対人賠償
- 対物賠償
- 人身傷害保険
普段どんなに安全運転をしていても、ミスは誰にでも起きうるものです。
また、自分以外が原因で発生する事故もあります。
この3つが最低限そろっていれば、「家族や自分に事故が起きた時に、数十万~数百万の損害を受けたのに泣き寝入り」という事態だけは防げます。
これ以外にも、基本的には「万が一に備えて入っておく」ことをおすすめしますが、工夫次第でリスクを最低限に抑えながら節約することができます。
順番に紹介していきます。
エコノミー型自動車保険を選ぼう
まずは自動車保険の基本プランの見直しです。
多くの大手自動車保険が「一般形」と「エコノミー型」を用意しており、エコノミー型のほうが安価です。
一方で安い分だけ、トラブル時の補償対象が少なくなっています。
参考までにソニー損保の一般形とエコノミー型を比較してみましょう。
以下のような補償範囲の違いがあります。
補償の内容 | エコノミー型 | 一般形 |
---|---|---|
他車との衝突・接触 | ![]() |
![]() |
落書き・いたずら | ![]() |
![]() |
盗難 |
![]() |
![]() |
飛来中または落下中の他物との衝突(飛び石など) | ![]() |
![]() |
台風・竜巻・洪水・高潮 | ![]() |
![]() |
火災 | ![]() |
![]() |
当て逃げ | ![]() |
![]() |
転覆・墜落 | ![]() |
![]() |
単独事故(電柱に衝突など) | ![]() |
![]() |
自転車との接触 | ![]() |
![]() |
エコノミー型と一般型との価格差は、保険会社や自動車の種類、運転者の年齢などによっても変わってくるので、明確な数字は出せません。
しかし、だいたいの相場として、エコノミー型のほうが3万~4万円ほど安くなるとされています。
上記の表を参考に、「自分がエコノミー型にしても大丈夫か」判断するのが良いでしょう。
搭乗者傷害保険
搭乗者傷害保険は、簡単にいえば人身傷害保険で補いきれない搭乗者の傷害を補償するものです。
最も大きな違いは「補償の対象になるのは、契約中の車の搭乗員全員」という点。
たとえば友人を乗せているときに事故に遭っても、同乗していた友人の傷害まで補償の対象になります。
逆にいえば、「家族以外はまず乗せない」という人は外しても大きな問題にはならないでしょう。
友人を乗せるときにだけ、レンタカーを借りて1日保険を利用するなどして補えます。
車両保険
車両保険は先程の表にあった「盗難」「落書き・いたずら」などの被害を補償してくれる保険です。
基本的には新車を購入して大切に乗りたい人は、つけておいがほうがいいでしょう。
しかしたとえば「格安の中古車を購入した。壊れたりしたらもう廃車にする」という場合には不要といえます。
自損事故保険
自損事故保険は電柱やガードレールなどに、運転者本人の運転ミスで衝突してしまったときの補償です。
基本的には身体や精神の傷害について補償されます。
外すことは可能ですが、その場合にはより安全を意識した運転をする必要があります。
とくに雪が多く降る地域に住んでいる場合は、自分の注意だけでは限界があるので外さないほうがいいでしょう。
無保険車傷害保険
これは「任意保険に加入していない車によって、事故を起こされた」という場合に適用される保険です。
任意保険はご存知の通り、「自分が事故を起こしてしまったとき、最低限の損害補填を事故相手に対して行う」ための補償です。
国土交通省の発表によると、車検切れ(ということは自賠責保険も切れています)の状態で走行している車は全体の0.27%、300台に1台。
これを多いと取るか少ないと取るかは人それぞれですが、「無保険車にぶつけられたら、災害に遭ったと思って諦める」くらいの割り切りは必要といえるでしょう。
独身なら本人限定特約も検討
「遊びに行くときは友人の車や公共交通機関を利用する」という人もいるでしょう。
そうした人にとってお得なのが「本人限定特約」。
契約の対象を契約者本人のみに限定することで、保険料を安く抑えることができます。
ただし、いうまでもなく友人や家族を乗せたときのトラブルには対応していません。
帰省時などに運転を頼まれたときのために、家族の保険を合わせてしっかり確認しておく必要があるでしょう。
友人とどうしても出かけたい時には、レンタカーと一日保険の合わせ技が有効です。
ここまで自動車保険を安くする方法をご紹介してきましたが、実際の保険料は年齢や保険の等級、車種などでかなり変わってきます。
どうしても分かりにくい、調べるのが面倒という人は代理店でしっかりと話を聞いて自動車保険に契約するのがおすすめです。
無理にネット割引があるダイレクト型自動車保険を選ぶよりも無駄なオプションを付けたり、必要な内容を省く恐れがなく、結果的には安くなるといえるからです。
最後に、良好な軽自動車の燃料代をさらに安くするためのちょっとしたドライビングテクニックをご紹介します。
維持費を抑える燃費のいい走り方のコツ
基本的には「安全運転こそが最大の節約」です。
これは事故を起こしてしまうリスクを減らせるという意味だけではありません。
安全運転は「無理な挙動を車にさせない」という運転でもあるので、車の各所の消耗を抑え、メンテナンス費用まで節約できるという、一石二鳥どころか三鳥も四鳥もお得な走り方なのです。
走り方のコツは次のようなものになります。
急発進・急ブレーキはしない
急発進、急ブレーキはどちらも車のあちこちに悪影響を及ぼします。
もちろん1回や2回ではさしたる影響は出ません。
しかし急発進・急ブレーキが常態化してしまうと、ブレーキパッドやタイヤ、ひいては車体のフレームにまで疲労が蓄積し、何年か経った頃にメンテナンス費用として負担になります。
「アクセルは柔らかく踏み、衝撃を感じないように加速」、そして「常に周囲に気を配り、危ないと思った場所では後続車に注意しつつ少し減速して備えておく」のが、節約への第一歩です。
急ハンドルは避け、余裕を持って曲がろう
急ハンドルも避けるべきです。
もちろん突然の飛び出しのときは仕方がありませんが、たとえば「タイヤのこすれるような音が聞こえる走り方」は基本的に「お金のかかる走り方」です。
もちろんタイヤやサスペンションに過剰な負担が掛かっています。
タイヤは3年ごとに交換するのが望ましいとされています。
価格は車種によって違いがありますが、1万~2万円くらいのものが多く使われています。
タイヤ交換時の工場の手数料は約1000円ほどが相場。
「急ハンドルが多いと1年に1万円を余計に使うような使い方をしている」と考えて、ハンドルはふんわり優しく回すよう心がけましょう。
自転車や歩きで20分くらいの買い物には車を使わない
「乗らなさすぎるのも不経済」ですが、「不要なときには乗らない」のも大切です。
とくにガソリン車は「エンジンが暖まってくるほど効率が良くなる」という仕組みですので、30分未満の短距離を繰り返し走るのは「燃費に良くない走り方」です。
歩きや自転車で20分くらいの距離へのお買い物なら、日頃の運動不足を補うためと考えて、車を使わず足を動かすのがおすすめです。
結果的に健康にも良い影響をもたらすと考えれば、一石二鳥と言えるのではないでしょうか。
まとめ
軽自動車の維持費は、燃費も含めて普通自動車よりもかなり「安い」というのが結論です。
とくに税金面では優遇され、最低でも6万円は普通車より安い維持費で運用できます。
さらに維持費を抑えるなら自動車保険を自分のカーライフに合わせて見直すと良いでしょう。
ただ、自動車保険は「万が一の事態」に活躍するものなので、削りすぎるのも考えもの。
保険のプランの変更は気軽にできるので、契約してから「これは必要ないな」と感じたものを外しても遅くはありません。
そして何より、安全運転こそが維持費を節約する最大の秘訣です。
事故が起きれば、月数万の節約など簡単に消し飛んでしまいます。
それだけでなく、安全運転とは「燃費の良い走り方」ともいえます。
軽自動車で維持費を見据えた車選びをするなら、用途や周辺の環境まで合わせて考えることで、最適な一台を選べるでしょう。